生活習慣病は、バランスの悪い食事、運動不足、ストレス、喫煙、飲酒等、普段の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群とされており、肥満から生活習慣病へとつながることがほとんどです。
生活習慣に関連する疾患には、高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症をはじめ、がん・心疾患・脳血管疾患なども含まれています。生活習慣病は「サイレントキラー」とも呼ばれており、これらの多くは自覚症状がなく、気付かないうちに病気が進行し、脳や心臓、腎臓など全身の血管にダメージを与え、命に関わる恐ろしい疾患を引き起こすことがあります。
現在の徳島県では、平均寿命は全国平均程度、健康寿命は全国平均を下回る状況となっています。また死亡の要因も、がんや心疾患など生活習慣病の占める割合も高くなっています。
かつて徳島県は糖尿病死亡率が全国1位でしたが、自治体等のこれまでの取り組みの結果、1位脱却が実現しました。しかし現在では虚血性心疾患や人工透析の患者割合は全国と比較すると1位を争うほどの上位に位置付けられています。これらの疾患は命に関わる恐ろしい疾患ということもあり、医療費は年間数百万円を超える金額で、1人当たりの医療費も全国的に上位となっています。また高額な医療費を賄うためには保険料増額など医療費以外にもお金が必要になってきます。
特に人工透析へとつながる腎機能の低下は徳島県にとっても大きな課題となっています。腎機能が低下した患者割合は、全国と比較すると10位以内に入っている状況です。また腎機能低下を知るきっかけとして実施される尿蛋白検査では、有所見者の割合が全国1位(令和元年度)になっています。
生活習慣病を予防するためには、普段の何気ない生活習慣を振り返ることが重要です。生活習慣の見直しには食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等がありますが、振り返るためにはきっかけが必要で、特定健康診査や特定保健指導はその1つとなります。
特定健康診査は、身長・体重をはじめ血液検査や尿検査等を実施し、私たちのからだの変化を数値化して確認することができます。年1回の受診が生活習慣病の予防や早期発見、私たちの生活習慣を見直すきっかけづくりにもなります。
特定保健指導は、特定健康診査の結果から私たちの生活習慣の見直しが必要である人に実施しています。特定保健指導を受けることは生活習慣病の予防だけでなく、命に関わる疾患への重症化を予防することにもつながります。
元気で長生きし、楽しい生活を送れるよう、特定健康診査等を受けて、定期的に生活習慣の見直しをしていきましょう。