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阿波の国保 NO.341号 令和5年2月号

WEB版 阿波の国保

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☆ 国保制度改善強化全国大会

☆ 徳島県市町村国保運営協議会会長連絡協議会

☆ 保険料(税)収納率向上対策研修会

☆ 徳島県国保診療施設地域医療学会

☆ 国保データベース(KDB)を活用した保健活動支援事業

☆ 数字で見る国保医療費の動き(令和4年9月~令和4年11月審査分)

☆ 国保連合会日誌(令和4年11月1日~令和5年1月31日)

 

 

 

国保の持続的な制度運営確立のため11項目を決議

―国保制度改善強化全国大会―

 

 令和4年11月18日、東京都千代田区の砂防会館にて、国保中央会主催の国保制度改善強化全国大会が開催され、徳島県からも町長をはじめ11人が出席しました。 

  

 国保中央会の岡﨑誠也会長(高知市長)は主催者挨拶のなかで、「国保の事業運営は今後も厳しい状況が続くことが見込まれる。このため、今後も国に対して、国保制度を将来にわたり安定的に運営するための大前提である毎年度3,400億円の公費投入の実施や、国保総合システムの次期更改のための適切な財政措置等、国保連合会が地方自治体の医療・保健・介護・福祉業務支援の役割を十分に果たすために必要な措置を確実に講じていただくことを強く要望していく」と訴えました。

  

 来賓として自民党の田村憲久社会保障制度調査会長、立憲民主党の牧山ひろえ参院議員会長代行が挨拶しました。

  

 大会では、全国市長会を代表して三重県伊勢市の鈴木健一市長が決議文を読み上げ、医療保険制度一本化の早期実現や、公費投入を確実に実施し、財政支援の充実を図ることなど、11項目の決議が採択されました。

  

 大会終了後、決議の早期実現に向け、出席者による関係省庁や国会議員等への陳情を行いました。

 

<<大 会 決 議>>

1.医療保険制度の一本化を早期に実現すること。 

1.国保の財政基盤強化のための公費投入の確保を確実に実施するとともに、

  保険者努力支援制度等が有効に活用されるよう、適切な評価と財政支援の充実を図ること。

1.普通調整交付金が担う自治体間における所得調整機能は、今後も堅持し、

  見直しを行わないこと。

1.新型コロナウイルス感染症の影響が続く中で、国保制度の運営の安定を図るとともに、

  医療・保健・介護の人材及び公立病院等の医療提供体制を確保するため、

  地方自治体及び国保連合会に対して十分な支援措置を講じること。

1.子どもの医療費助成等の地方単独事業に係る国庫負担減額調整措置の全廃

  及び子どもに係る均等割保険料(税)の軽減制度の拡充を行うこと。

1.生活保護受給者の国保等への加入の議論については、見直しを行わず

  国としての責任を果たすこと。

1.国保総合システムは、医療分野におけるDX推進の柱であり、

  次期更改や運用に当たっては、市町村等保険者に追加的な財政負担が生じないよう、

  国の責任において必要な財政措置を確実に講じること。

1.国保連合会が地方自治体の医療・保健・介護・福祉業務支援の役割を十分に果たせるよう、

  必要な措置を講じること。

1.国民の健康保持・増進及び医療費適正化に向けKDBシステムの更なる活用を進めるため、

  制度的役割の拡充を図るとともにシステム更改等に係る財政措置を講じること。

1.オンライン資格確認等システムの普及やデータヘルス改革の推進に当たっては、

  国の責任において財政支援の充実をはじめ必要な措置を講じること。

1.国民健康保険組合の健全な運営を確保すること。

 

 

  

  

健康寿命延伸および国保の情勢、課題について学ぶ

―令和4年徳島県市町村国保運営協議会会長連絡協議会―

 

 令和5年1月12日、徳島市の徳島グランヴィリオホテルにて徳島県市町村国民健康保険運営協議会会長連絡協議会を開催し、各市町村の国民健康保険運営協議会会長、委員並びに国保関係者等18保険者32人が出席しました。

 

 この協議会は、会長相互の連絡調整を行うとともに、国保事業の発展に寄与するため、国保をめぐる諸情勢や課題等の共通認識を図ることを目的に実施しています。

 

 開会後、はじめに、秋田美代会長から主催者挨拶があり、徳島県保健福祉部国保・自立支援課の島智子課長から来賓挨拶がありました。 

 続いて、協議会役員の変更について、事務局から副会長の三好市国保運営協議会天羽強会長が任期途中で辞任されたため、残任期間について後任の三好市国保運営協議会古井孝司会長を協議会副会長とすることを報告しました。

 

 続いて、国民健康保険中央会池田俊明常務理事から「国民健康保険を取り巻く情勢と今後の課題」と題し、制度改革の状況、保健事業の推進とデータヘルス改革のほか、国保連合会・国保中央会が直面する課題などについて講演がありました。

 

 その後、徳島県保健福祉部健康づくり課今井希実主任主事から「健康寿命延伸のための徳島県の取組」と題して、徳島県で行われている「疾病予防」、「介護予防」、「健康増進」を目的とした様々な健康づくりの取組について、現状を踏まえながら講演がありました。

 

 

                  

 

 

保険料(税)収納率向上対策について学ぶ

-令和4年度国保保険料(税)収納率向上対策研修会-

 

 令和4年11月4日、国保会館にて、令和4年度国保保険料(税)収納率向上対策研修会が開催されました。

 

 この研修会は、保険者努力支援制度において収納率向上に関する取組の実施状況が配点割合の高い評価指標とされていることから、保険者の支援を行うことを目的に開催しています。 

 開催にあたり徳島県保健福祉部国保・自立支援課の島智子課長は、「令和2年度の本県の保険料(税)収納率は94.74%と全国の93.8%を上回っており、全国では24番目の収納率である。さらに、平成29年度からの3年間の伸び率は全国第4位であった。皆様の着実な取組に敬意を表したい。また、保険者努力支援制度においても収納率の実績や収納対策の取組状況については一層の取組の強化が求められる課題の一つである。県としても国民健康保険事業の適正かつ円滑で安定的な運営に向け、市町村の皆様との連携をより一層図りながら尽力してまいりたい」と挨拶しました。 

 

 続いて、国保連合会の富永裕史事務局長の挨拶のあと、厚生労働省国民健康保険料(税)収納率向上アドバイザーで弁護士の瀧康暢先生から「国民健康保険料(税)収納率向上のための多面的な取組」と題した講演がありました。 

 

 講演では、納付相談の基本事項や納税・納付相談への誘導の工夫など、収納率向上のための様々な取組について、事例を用いながら具体的な説明がありました。その後、徳島県から国民健康保険事務について説明しました。

  

  

   

 

第44回徳島県国保診療施設地域医療学会

~地域包括ケアにおける在宅医療・訪問診療の促進~

 

 令和4年11月27日、国保会館にて「地域包括ケアにおける在宅医療・訪問診療の促進」をテーマに第44回徳島県国民健康保険診療施設地域医療学会を開催しました。この学会は地域医療及び地域包括医療・ケアの実践の方途を探求するとともに相互理解と研鑽を図ることを目的として毎年開催されているもので、今年は国保診療施設関係者等144人(WEB参加者含む)が出席しました。

 

開会式

 開会式では、主催者として徳島県国保診療施設運営協議会の影治信良会長(美波町長)、全国国保診療施設協議会徳島県協議会の須藤泰史会長(つるぎ町病院事業管理者)から、来賓として徳島県の飯泉嘉門知事(国保・自立支援課 島智子課長代読)、徳島県国民健康保険団体連合会の内藤佐和子理事長(宮内正彦常務理事代読)からそれぞれ挨拶がありました。

 

表彰式

開会式に続いて、国保診療施設事業の向上発展に功績があった者を表彰する徳島県国民健康保険診療施設運営協議会会長表彰の表彰式が執り行われました。表彰された方は次のとおりです。

 

徳島県国民健康保険診療施設運営協議会会長表彰

 

三好市国民健康保険市立三野病院 主任看護師   佐 藤 恵 子

国民健康保険勝浦病院      主任看護師   森 下 由 枝

国民健康保険勝浦病院      事務局長    笠 木 義 弘

つるぎ町立半田病院       看護主任    美 馬 敦 子

つるぎ町立半田病院       看護師     長 江 絵 理

つるぎ町立半田病院       看護師     中 内 まゆみ

つるぎ町立半田病院       看護師     竹 内 亜 紀

つるぎ町立半田病院       臨床検査技師  杉 野 寿 代

美波町国民健康保険美波病院   看護師     井 田 愛 子

美波町国民健康保険美波病院   看護師     有 松 順 子

美波町国民健康保険美波病院   看護師     和 田 良 美

美波町国民健康保険日和佐診療所 准看護師    松 川 美 和

 

特別講演

 国立大学法人 徳島大学大学院医歯薬学研究部看護リカレント教育センター山下留理子特任教授から「地域包括ケア時代を支えるチーム医療の一員として」と題した特別講演が行われました。講演では地域包括ケアと在宅医療の現状について看護人材育成の視点からお話がありました。

 はじめに、在宅医療を取り巻く情勢のほか、地理情報システムのデータを用いながら徳島県内の人口問題や医療提供体制について説明がありました。我が国の社会背景、徳島県の地域特性に加え、県内でも複雑な状況にある在宅療養者が急増していることを指摘されました。

 また、訪問看護師と看護基礎教育の今後については、在宅医療・ケアに対するニーズの高まりに伴い、訪問看護師に求められる役割やスキルが年々高度化するなかで、専門的知識や豊富な実践経験を持つ「専門看護師」や「認定看護師」がキーパーソンとなってくる。なかでも、「特定行為研修を組み込んだ在宅ケア分野の認定看護師教育課程」は在宅療養の場において専門性の高い看護職の人材を育成することができることから、徳島大学看護リカレント教育センターでも同様の看護師教育課程を開講しているとのことでした。 

 地域包括ケアの一端を担う「暮らしを支える看護職」は地域医療の一員として多職種、関係機関と連携しながら、ケアとキュアを統合したシームレスな看護を展開していくことをめざしたいと話されました。

 

パネルディスカッション

 「地域包括ケアにおける在宅医療・訪問診療の促進」をテーマに、司会者を美馬市国民健康保険木屋平診療所 藤原真治所長、助言者を国立大学法人 徳島大学大学院医歯薬学研究部看護リカレント教育センター 山下留理子特任教授、徳島県国民健康保険診療施設運営協議会 顧問・徳島大学病院総合診療部 谷憲治教授とし、5人のパネリストがそれぞれ発表を行った後、出席者を含めて全体で意見交換しました。

パネリスト

発表内容

那賀町立上那賀病院長

鬼頭 秀樹

―僻地における在宅医療の推進―

当院における在宅医療の現状

美波町国民健康保険美波病院 看護師長 

尾崎 美紀

小規模病院での在宅医療の今とこれから

三好市国民健康保険市立三野病院 外来師長 神領 明美

当院における訪問診療の実際

―3例の事例を通して―

三好市国民健康保険東祖谷歯科診療所長

細川 竜彦

東祖谷歯科診療所における在宅医療、訪問診療の実際とその課題

つるぎ町立半田病院 ソーシャルワーカー

佐藤 悠生

ランサムウェアによるサイバー攻撃を経験して

~在宅医療・訪問診療を行っている関係機関との今後のあり方について~

 

研究発表

 研究発表は2部に分け、Ⅰ部の座長をつるぎ町立半田病院 寒川忍看護師長、Ⅱ部の座長を国民健康保険市立三野病院の宮田淳也病院長とし、各施設から医師部門3題、技師部門2題、看護部門2題、事務部門1題の計8題について日頃の実践をとおした発表がありました。

 

Ⅰ部   座長 つるぎ町立半田病院  看護部長  寒川 忍

部門

発表者

発表内容

看護部門

国保勝浦病院 看護師

名蔵 李紗

患者さんの医療安全を考えて

看護部門

つるぎ町立半田病院 看護主任 

知野 広美

産後うつ病スクリーニング導入に向けた取り組み

技師部門

国保上勝町診療所 看護主任(助産師)湯浅 佳代

訪問リハビリ終了理由の検討

技師部門

三好市国保市立三野病院 言語聴覚士

加藤 司

長く健康に「食べる」ために

~早期経口摂取再開を目指して~

Ⅱ部   座長  国民健康保険市立三野病院  病院長  宮田 淳也

部門

発表者

発表内容

医師部門

美波町国保美波病院長

本田 壮一

日和佐診療所の今とこれから

医師部門

国民健康保険海陽町宍喰診療所長

白川 光雄

コロナ禍におけるへき地出張診療実習による

地域医療教育

医師部門

つるぎ町立半田病院長

中園 雅彦

様々な困難に直面して感じること

事務部門

国保勝浦病院 事務局長

笠木 義弘

地域包括ケアシステムの中核施設として(勝浦病院改築)

 

 

 

 

国保データベース(KDB)を活用した保健活動支援事業

~ 地域における保健・医療連携の推進に向けた研修 ~

 

 令和5年1月13日、国保会館で、市町村保健師等を対象に「新規透析予防に向けた住民支援」について、沖縄県の井上優子先生を講師にお招きしました。

 

 今回の研修会は、ターゲットを絞った効果的な保健指導と保健・医療連携について学ぶことを目的としました。事前に市町村保健師が新規透析導入になった方の経過をレセプトで確認し、実際に訪問して人工透析の方の声を聞いていただきました。

 

 

【透析をしている住民の声】

・透析は絶対嫌と思っていたが、医師に「もう処置のしようがない」と言われ

 て決意した。

・保険も国保から後期へ変わり障害者手帳も1級を取得したので医療費の心配は

 なくなったが、仕事はできなくなった。

・血圧管理の重要性や痛み止めが腎臓に悪いということを先に教えて欲しかっ 

 た。

 

 

 その他、腎機能に大きく影響する尿蛋白の管理・治療を腎専門医に繋ぐことで腎機能が維持できたという好事例がありました。

 このような実態から、早期に腎専門医へ繋ぐ重要性を理解していても、現状は専門医に繋がっていないという課題も見えてきて、かかりつけ医と専門医が連携できるルールづくりなど、今後、医療連携の課題を行政としてどのように形にしていけばよいのか、沖縄県南城市の取組を教えていただきました。

 

 

【沖縄県南城市の取組】

 南城市は透析医療費の割合が全国よりも高く、透析患者も増加傾向にあったことから、かかりつけ医と腎専門医の連携が必要と考え、医師会に協力を要請し、平成28年から行政と医師会、腎臓専門医の連携により「南城市慢性腎臓病重症化予防事業」を開始した。

 腎専門医を含むプロジェクトチームが、特定健診の結果から透析導入のハイリスク者を抽出して「治療計画案」をかかりつけ医の先生に提案し、腎機能のモニタリングや計画案の調整もするという取組。

 行政が入口となり、かかりつけ医と専門医の事例検討会の企画などの連携の仕組みづくりにより、近年では総医療費に占める透析医療費も減少。ターゲットを絞りきちんと一人ひとり"予防"していくことが医療費の減少に繋がっている。

 

 

 徳島県においても、国保医療費は少しずつ上昇しており、人口100万人あたりの慢性透析患者数・新規透析導入患者数は全国1位の状況が続いています。透析をしている住民の声からも分かるように、透析はその人の生活や人生までも変えてしまいます。新規透析導入の予防、医療費適正化のためには、どうすればよいのか。今後も実態を見続け、課題解決に向けて一歩ずつ段階を踏んでいけるような研修を企画していきます。

  

  

 

数字で見る国保医療費の動き(令和4年9月~令和4年11月審査分)

 

 

国保連合会日誌(令和4年11月1日~令和5年1月31日)